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クラミジア

朝起きて用を足そうとしたら、なんだかあそこが痛む。前から何だか知らないけど痛くなることはあったから、最初はそんなに気にしなかった。二度目に痛みを感じたとき、「性病」って言葉が頭にわいてきた。やっぱりイタイ。それに、何だか、クリーム状で膿のようなものが出ているのは気のせいか?
 心当たりもかすかにあったので、恐怖する。性病なんてバカなやつのかかるものだと思ってのんきに生きてきたせいで、何の知識もない。もしかしたら、俺死ぬ?くらいに思ってしまった。

そして性病ってやつは、相手にうつる。彼女はいるけど、彼女からうつったかどうかもわからない。そんなときに彼女とやっちゃったら、彼女も性病持ちになってしまう。なにより、性病持ちの男なんて、嫌われるに決まってる。
ともかく、そのまま放っておいてはやばい。それくらい考える力はあった。治るものなのか、一生ものなのかもわからず、二日後、俺は病院に電話をかけた。
「なんか痛いんですけど、大丈夫ですかね?」どこが痛いかなんて言わなくても、向こうはわかってくれるだろう。案の定、「痛いというのは心配ですねえ、クラミジアなどの尿道炎である可能性もありますので、一度ご来院いただけませんか?」とのことだ。
 クラミジア……。エイズじゃないのか……、ちょっとほっとする俺。そうか、エイズじゃあそこは痛くならないか。でも、クラミジアってどんななんだ? 淋病とは違うんだろうか? なんか「虫っぽい」けど、そんなのが俺のあれにくっついてるんだろうか? 恐怖心はつのるばかりである。

何もないことを願いつつも、彼女のことを考えて病院へ。このままじゃ怖くて何もできやしないしなあ。
 恥ずかしい診療が終わり、診断結果は「クラミジア」。抗生物質の服用で、数週間もすれば治るという。そんなのでいいのかと、ほっとした。
 しかし、どうしよう。そう、彼女の件だ。彼女もこの性病にかかっている可能性がある。医者は「パートナーがいらっしゃるなら、検査をオススメします」とのたまった。どうやって言えばいい? しかも、いざ調べて、かかっていなかったらどうする?
 俺はしかし正義感に従うことにした。自分が性病にかかったこと、そしてそれが君にもうつっている可能性があること、もしくは、君からうつった可能性があることを打ち明けた。
彼女は通院は嫌だといって、性病検査のための検査キットを入手し、検体を送った。そして郵送で検査の結果を知った。
 彼女もクラミジアだった。彼女は俺に、メールで知らせてきた。メールの最後には「ごめんね」とあった。しばし考え込んだが、理解がいった。
 お互い、最低だったんだな。

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